乳幼児のころは、月齢による差も大きく、また成長のしかたにもそれぞれの個性があって、同じ年齢といってもひとくくりにはできません。 また、あかちゃん返りというのか、大きくなってから赤ちゃんが好むような本を読みたがったりすることもあるでしょう。 ですので、記事のタイトルはあくまで大まかな目安としていただき、本編と併せて以前の記事【0歳~1歳におすすめの絵本】で紹介したものの中から、そのおこさまの個性に見合った絵本が見つかれば幸いです。
【 2歳〜3歳へのプレゼントに おすすめの絵本 】
[2歳〜3歳] この時期のお子様が惹きつけられる特徴は
- ファンタジー
- どうぶつ
- 発見
- できることへの共感やあこがれ
- ともだち(交流)
- 安心
などが挙げられるでしょうか。
できることが増え、世界観、人間関係、興味・関心がどんどん広がっていく時期ではないかと思います。
読んでほしいとせがむ本の種類もどっと増えるころかもしれません
はけたよ はけたよ
1.はけたよ はけたよ(神沢 利子 著, 西巻 茅子 イラスト 偕成社)
おかあさんにつくってもらったズボンがひとりではけず、くやしくて野原にとびだしたっくんは、はだかんぼうのお尻に尻尾がないことを動物たちにからかわれます。 すると、ひょんなことからズボンがはけるようになり、今度はおかあさんにつくってもらった赤いズボンを動物たちにうらやましがられて、嬉しい気持ちに・・・。 できないことのもどかしさ、できたときの喜びを我がこととして入り込める一冊になるのではないでしょうか。
きんぎょがにげた
たくさんの絵本を世に出していらっしゃる五味太郎さんですが、中でもこの時期のおこさまたちに向けた絵本が最も多いのかもしれません。 シンプルな絵柄、美しい色使いや楽しい展開。 読み聞かせる大人にとっても楽しい時間になると思います。 鉢からとびだした金魚が家の中のいろんなものになりすましてかくれんぼします。 かくれた金魚を、一所懸命に探すおこさんの可愛さにくぎ付けになることでしょう。
こぐまちゃん シリーズ
ながく愛されつづけるこぐまちゃん、しろくまちゃんの世界。 シンプルな色使いと絵のタッチ。 文章も大人が空で憶えてしまうくらい単純明快です。
など、この時期のおこさまが親しみやすいテーマ、キャラクターで、どの子も大好きになると思います。
ぐうぐうぐう
こちらも五味太郎さんらしいユーモアたっぷりな作品です。 なにをされても、安心しきって「ぐうぐうぐう」と眠りつづけるクジラ。 絵本は、お休み前に読むことが多いでしょうから、つられて安らかに入眠する子も多いと思います。
わにわに シリーズ
わにわにがお風呂に入ったり、縁日に出かけたり、ごちそうをつくったり。 シュールでユーモアたっぷりな絵本で、まず大人の僕ら夫婦が一目ぼれしてしまいました。 小さい子にはどうかな?という心配も杞憂に終わり、我が家では家族みんなが大好きなシリーズになりました。
おんなじ おんなじ
ぶたのぶうちゃんと、うさぎのぴょんちゃんは、帽子から靴まで、さらに持っているおもちゃまでみんなおんなじ。 ころぶときもいっしょ。 いっしょに泣いて、いっしょに泣き止んで。 さいごにぽけっとからころがりおちたおもちゃがおんなじではなかった。 けれどもふたりはとってもなかよし。 さよならさよなら またあしたね といってバイバイする、なかよしふたりの親密であたたかい絵本です。
また もりへ
アメリカの絵本作家、マリー・ホール・エッツの一冊です。 もりのなかの続編です。 森に入った男の子が、こどもならだれでもすきな動物たちがとくいなことを披露しあう会の呼び出し係に任命されます。 ふとしたことで男の子が大笑いすると、動物たちは驚き、「笑うことは他の誰にもできない」といって男の子がいちばんということになって、花輪を編んでもらって夕方までみんなで行進します。 もりのなかのあたたかいファンタジーです。
もりのなか
だるまちゃん シリーズ
かこさとしさんのシリーズものです。
【 だるまちゃん シリーズ 】
だるまちゃんがいろいろなともだちと仲良く遊ぶこのシリーズは、どんどん友達が増えていくこの時期の子供たちに親しみやすいのでしょう。 かこさとしさんの作品には、子供心が溢れているというか、不思議な魅力があります。
めっきらもっきらどおんどん
9.めっきらもっきらどおんどん(長谷川 摂子 著, ふりや なな イラスト 福音館書店)
ひとりで神社に遊びに出かけた男の子が、声に誘われて穴に落ち込み、不思議な世界に入り込んでしまいます そこにあらわれたへんてこな妖怪?神様?とたくさん遊んで遊び疲れ、ふと恋しくなって「おかーさーん」と叫ぶと、元の世界に戻っていた、というお話。 ふりやななさんの魅力あふれる映画のような作風に、おとなもこどもと一緒に引き込まれます。
ひとりできれるよ
10.ひとりできれるよ(ディディエ・デュフレーヌ作 佼成出版社)
おむつのとれないアポリーヌの、元気いっぱいな日常をつづったシリ-ズ【きょうもごきげんアポリーヌ】のうちの一冊です。 シリーズの他の作品も紹介します。
ちいさなねこ
11.ちいさなねこ(石井桃子著、横内 襄 (イラスト) 福音館書店)
ちいさなねこがおかあさんの見ていない間に、家を飛び出し、大冒険。 ちいさな男の子につかまったり、道路に飛び出して車にひかれそうになったり、大きな犬に追いかけられて高い木の上の方まで登って降りられなくなってしまったり。 写実的なタッチで、生まれて間もない子猫のイラストがいまにも動き出しそうな臨場感あふれる作品です。
おちゃのじかんにきたとら
12.おちゃのじかんにきたとら(ジュディス・カー 童話館出版)
おかあさんとのおちゃの時間に、とつぜんトラが現れて、家にあるたべものや飲み物、水道の水までみんなすっかり平らげてお礼を言って帰ってしまいます。 夕食も作れずお風呂さえ入れない、そんなアクシデントに、困りはすれど、ちっとも慌てず、おだやかにいちにちを終える、安心に満たされた家族のいちにちのお話です。 絵柄もやさしく、すてきな一冊です。
よあけ
これはもしかしたら、この記事の主旨には合致しないかもしれません。 はまらないおこさんもたくさんいらっしゃるかもしれません。 それでも、この絵本の美しい絵と詩的な言葉の連なりには、意味が解らないはずの0歳児でも引き付けられるものがあるようです。 個人的には0歳からずっと全ての年齢の方にお勧めしたい素晴らしい作品だと思っています 最後のページの夜明けの場面では、読むたびに突き抜けるような感動を味わうのではないでしょうか。
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いかがだったでしょうか? 2歳から3歳くらいのお子様にとっては、自分自身の成長に伴って、否応なく劇変してく身の回りの状況の中で、安心して浸れる絵本の世界は、替えがたい安全地帯なのかなと思います。 おひとりおひとりのおこさんの個性に合った良い作品と出会われますように。
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